システム開発におけるエビデンス作成とは?

システム開発におけるエビデンス作成とは、一言でいうと「開発したシステムが、設計書や仕様書通りに正しく動いたという『証拠(裏付け)』を残す作業」です。

主にプログラミングが終わった後の「テスト工程(単体テスト、結合テスト、システムテストなど)」で必須となる業務です。


1. 具体的に「何」をエビデンスとして残すの?

基本的には、人間の目で見えるものから、システムの裏側のデータまで、あらゆる「正常に動いた証拠」を記録します。

  • 画面のスクリーンショット(キャプチャ)
    • ボタンを押した瞬間の画面、エラーメッセージが表示された画面、処理が完了した後の画面など。
  • ログファイル(Textデータ)
    • システムが内部で出力したエラーログやアクセスログ、実行履歴のテキスト。
  • データベース(DB)のデータ状態
    • データを登録・変更する前と、変更した後のテーブルの中身(SQLの実行結果など)。
  • 通信データ(APIのリクエスト・レスポンスなど)
    • 外部のシステムと正しくデータのやり取りができたかを示す通信ログ。

2. なぜシステム開発でそれほど重要視されるの?

エビデンス作成は手間がかかる作業ですが、システム開発において以下の非常に重要な役割を持っています。

  • 「バグがないこと」の証明(納品時の必須条件)
    • クライアント(発注元)に対して、「私たちは指示通りにテストを行い、すべて正常に動くことを確認しました」と客観的に証明するために提出します。これがないと、システムを受け入れてもらえません。
  • 後からバグ(不具合)が見つかった時の原因究明
    • 本番稼働後にトラブルが起きた際、「テスト段階では本当に正しく動いていたのか?」「どのデータパターンでテストしたのか?」を過去のエビデンスに遡って確認します。これにより、原因が「テスト漏れ」なのか「本番環境特有の問題」なのかを切り分けられます。
  • 「言った・言わない」のトラブル防止
    • 「仕様が途中で変わった」「この機能はこれで合意した」といった経緯を、テスト結果の証拠とともに残しておくことで、開発側と顧客側の認識のズレを防ぎます。

3. エビデンス作成で「やってはいけないこと」と注意点

システム開発のエビデンスは、ただ画面をキャプチャすればいいわけではありません。以下のルールを守る必要があります。

  • テスト仕様書(項目)と必ず紐付ける
    • 「どのテスト項目のための証拠なのか」が他人が見ても一目でわかるように、ファイル名や貼り付け先に項番を明記します。
  • 個人情報や機密情報はマスキングする
    • テストで本番に近いデータを使う場合、個人情報(氏名、住所、クレジットカード番号など)がスクショに写り込まないよう、テスト用データを使うか、黒塗りで隠す(マスキング)必要があります。
  • 「前・中・後」の流れを残す
    • 例えば「データを削除する機能」のテストなら、①削除前のデータがある状態、②削除ボタンを押した瞬間、③削除されてデータが消えた状態、の3点セットで残すのが基本です。

まとめ

システム開発におけるエビデンスは、エンジニアにとっても、クライアントにとっても**「システムが品質を満たしていることを保証する最後の砦」**と言えます。

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